【発禁】むかしばなしに潜む障害への意識

  • 2015/05/22

こんにちは。ニヤリと出来る記事をお届けしたいケアラーの中では割と異色だと勝手に自分で思っているモモンガです。

今回は、割とだれでも知ってそうな昔話から障害がどのように社会から見られていたかを推測してみよう、という個人的チャレンジです。昔話が好きな人は楽しめることうけ合い!
ただ、そもそもなんですが、まず昔話って皆さんお好きですか? 最近の子供は昔話を聞く機会が減って、小学校受験対策で集中的に読み聞かせを行うなんていうことを、幼児教室で聞きましたがどうなんでしょう。

障害がテーマになっている話って何があるの?

障害そのものがテーマやキーワードとして登場する昔話はそんなにないと思います。
狂言(江戸時代ぐらい)で良ければ、少し例を上げれば清水座頭とか三人片輪とかがあります。あと落語で言えばせむし男とか。

ちなみに気づいた人は気づいてるでしょうけど、片輪とかせむしとか、今でいう放送自粛用語連発です。落語なんかは特にそうで、古典落語(江戸~大正に成立)の内の半分以上が(現代日本で演るには)ブラックすぎるとかなんとか。まぁ障害をテーマにした笑いというものは、「笑い」自体が差別意識と深く結びついているという考え方はそう不自然なものでないので、仕方ないかもしれません。

今回はもう少し寓意的というか、婉曲的に表現されているものを使います。「こぶとりじいさん」です。

本当は怖いこぶとりじいさん(怖くない)

こぶとりじいさんのはなしの概略は有名だと思いますが、一応wikipediaから引用しておきます。各地によって細部は微妙に異なりますが、テレビアニメ、日本昔ばなしのものを載せます。

あるところに、頬に大きな瘤(こぶ)のある隣どうしの二人の翁がいた。片方は正直で温厚、もう片方は瘤をからかった子供を殴るなど乱暴で意地悪であった。ある日の晩、正直な翁が夜更けに鬼の宴会に出くわし、踊りを披露すると鬼は大変に感心して酒とご馳走をすすめ、翌晩も来て踊るように命じ、明日来れば返してやると翁の大きな瘤を「すぽん」と傷も残さず取ってしまった。
それを聞いた隣の意地悪な翁が、それなら自分の瘤も取ってもらおうと夜更けにその場所に出かけると、同じように鬼が宴会している。隣の翁は出鱈目で下手な踊りを披露したので鬼は怒ってしまい、「瘤は返す。もう来るな」と言って昨日の翁から取り上げた瘤を意地悪な翁のあいた頬にくっつけると「今日の宴会はもうやめだ」と興ざめして去ってしまった。
それから正直な翁は瘤がなくなって清々したが、意地悪な翁は瘤が二つになり難儀した。

ストーリーは明快で、コミカルな画が浮かぶ面白い話だとおもいます。
この話の教訓って、心掛けが良ければ幸せになれる、反対に心掛けが悪ければそのバチとしてどんな災難に遭うか解らないといったものではないでしょうか(個人的にはあんまり昔話から教訓を汲み出すのは好きじゃないんですが)。

で、瘤を障害と見立てることは、読み取り手によりますが、無理筋ではないと思います。日本においては奇形はもちろんのこと、発育が比較的進んだ(髪が生えたり歯が生えていたり)だけの嬰兒えいじ(生まれたての子供)を鬼子としたことなどもあってのことですが。

となると、障害を悪い心掛けに対するバチとしてひとつの災難、禍いとする考え方が、背景にありそうな気がしてきます。
これは逆に言うと、障害者を一方的に不幸な人と決めつける障害者観ともつながります。ちなみにこういう考え方はかつては日本にかぎらず世界的に見られたものだと推察できます。昔の福祉制度が障害者の社会的自立などを目指したものではなく、救貧院などとして存在していたことも傍証でしょう。

今現在の日本において、このことがつながっているとすれば、障害者とすれ違った親子が「言うことを聞かないとあんなふうになってしまいます」といって、叱る題材にするなどという光景が、あるのではないでしょうか。ちなみにこれは僕がかつて道端で見た光景でもあります……。

まぁそれはそれとして

発禁(正確には多分自粛)になった絵本で言えば、ちびくろサンボとかハックルベリー・フィンの冒険なんかが有りますけど、正直子供の頃に読んだ本がもう読めないって悲しいですので、可能なら今回話した内容などについても鷹揚に受け止められ、長く文化的産物として残ってほしいものです。

日本だと、「悪徳の栄え」が作品の作品性とわいせつさには関わりがなく、わいせつ物として有罪判決が新潮社に下った裁判も有りましたけどね。
本は本として、教訓を読み取るのは個人の勝手として、自由に物言える社会であってほしいものです。


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この記事の著者

モモンガ

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世界的な視点で障害と障害者に関することを書いてます。
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