向精神薬のオーバードーズの危険性

  • 2015/05/18

精神障害を引き起こす精神病、脳機能不全に対して、実施される療法にはいくつか種類がありますが主に精神療法、薬物療法、心理社会療法などがあります。
ここでは薬物療法についての簡単な説明と、種々の薬剤にの中の一つ、向精神薬の過剰服用(オーバードーズ)についてお話します。

薬物療法に処方される薬剤について

薬物療法は投与される薬剤の副作用などの点によって、外部から問題を指摘されることも多いのですが、実際には薬物療法の、特に非定型抗精神病薬の登場以降、疫学研究などにおいては、統合失調症などの疾病においてほぼ後遺症がなく寛解に至るケースが増えており、予後についてはかなり向上しているといわれています。

向精神薬とは

向精神薬とは、中枢神経系に作用して生物の精神に作用を与える薬物群に対する総称です。定義上はタバコや麻薬やアルコールなども含まれます。

抗精神病薬 過剰なドーパミンの作用を阻害する 統合失調症、双極性障害(躁うつ病)
抗うつ剤 セロトニン、ノルアドレナリンの濃度を高める うつ病
気分安定剤 神経活動を安定化させる 双極性障害(躁うつ病)
抗不安薬・睡眠薬 鎮静系の神経伝達物質の作用を増強させる 不安障害(神経症)、不眠症

過剰服用、大量投薬(オーバードーズ)とは

オーバードーズとはそのままの意味で、用法用量を大幅に超えて服薬することを言います。
当然ですが副作用の危険性は高まります。オーバードーズで最も死亡数が多いのはアルコールでしょうが、アルコール以外の向精神薬にも副作用が大なり小なりあり、死亡しない場合であっても健康被害につながりえます。

また、オーバードーズは多剤投与とも大きな関係があります。
これは多種の薬剤をそれぞれの用量限度まで服薬した場合に大きな問題になってくるものですが、基本的に薬剤とは単剤投与を前提に設計や用量の設定がされています。
多剤投与で効用が上がる場合もありますが、投薬種類が増えるに従って効用の上昇は頭打ちになるのに対し、副作用による危険性は上昇し続けるという研究もあります
日本においては日本神経学会が2004年に、抗精神病薬の投薬について単剤投与が好ましいにもかかわらず、臨床の実態として多剤投与が減少しないという指摘を皮切りに、様々な組織が多剤投与、大量投与について警鐘を鳴らしています。

具体的には各種学会や製薬会社、厚生労働省も単剤投与、用量用法を守った処方を行うように医師等に呼びかけてはいますが、呼びかけが現在も継続して行われていることを鑑みると、現在完全に解消されているとは言いがたい状況のようです。
また一方で患者が自己判断で減薬・断薬を行うことで薬効が適切に得られないケース、症状が再燃するケースもあり、より良い薬剤についての説明やセカンドオピニオンの一般化が期待されます。

一例として、日本うつ病学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本生物学的精神医学会、日本総合病院精神医学会の四学会が平成22年に公開した、向精神薬の適正使用についての呼びかけ文章を掲載します。
向精神薬の適正使用と過量服用防止のお願い


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この記事の著者

ケアラー編集部 山本

ケアラー編集部 山本

ケアラー編集部の山本です。
主に障害者に対する支援制度の紹介と企業の障害者雇用の取り組み方などについて、書いています。

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