パラリンピックの記録がスゴい。オリンピックを超える障害者スポーツの世界
- 2015/05/13

障害者の選手が出場するスポーツ大会といえばパラリンピックが有名じゃないでしょうか。
でも実際どんなものかという細かな内容のところは、スポーツの観戦に興味がある人ぐらいしか知らないのではないでしょうか?しかし競技によっては健常者の大会を上回るほどにハイレベルな障害者競技の話を読めばきっと今度のパラリンピックが見たくなるはず。
両足義足の陸上選手のオスカー・ピストリウス選手がスゴい。
Oscar Pistorius 2 Daegu 2011” by Erik van Leeuwen, attribution: Erik van Leeuwen (bron: Wikipedia). – www.erki.nl. Licensed under GFDL via ウィキメディア・コモンズ.
カーボン製の義足を使い、ブレードランナーの異名を持つ(映画とは一切関係ないです)、両足義足のランナーとして有名です。数年前に恋人を射殺したとして報道がなされたのでそれでご存じの方も居るかもしれません。
まぁそれはそれとして、南アフリカの英雄と言われる彼のベスト記録は下のとおり。
100m | 10秒91 (2007年4月4日) |
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200m | 21秒30 (2012年9月1日、ロンドンパラリンピック予選) |
400m | 45秒07 (2011年7月19日) |
これはオリンピックのトップ記録と比較して1秒強程度の遅れしかない記録です。400m走とかだと、相対的に見てもほとんど差はないといえるのではないでしょうか。しかも研究開発によって年々義肢の性能も向上しているので健常者の記録に並び追い越すのも遠い未来の話ではないでしょう。
ちなみに義肢を利用した選手であったとしても、参加標準記録をクリアすればオリンピックには出場できます。これはオスカー選手が北京オリンピックの出場時に、国際陸上競技連盟から「推進力のあるブレードの装着が競技規定に反する」とされて出場できないとなったのですが、スポーツ仲裁裁判所がこれを覆す判決を出したことで明らかになりました。
トップスポーツ選手が優れた靴などのスポーツ用品の獲得に血眼になっていることは有名ですが、義肢というスポーツ用品が性能向上した際にはパラリンピックの記録がオリンピックの記録を上回ることは間違いないでしょう。そしてそれが当然のこととなった時、参加規定はまた見直されるのではないでしょうか。
車いすマラソンがめっちゃ早い
普通のマラソンの世界記録は、今だと2時間02分57秒です。ジリジリと二時間の壁に迫っている感じですね。
しかし車いすマラソンの現在の世界記録は1時間20分14秒。圧倒的です。笑
“Women’s wheelchair, London Marathon 2011” by SNappa2006 – Shelly Woods, London Marathon 2011. Licensed under CC 表示 2.0 via ウィキメディア・コモンズ.
めっちゃ早そうです。いや実際早いんですが。
今後もハイレベル化するであろう障害者競技
今例えば盲目の人に外科的手術で電極を埋め込み、カメラでとらえた映像を送るみたいな事もできるようになってきています。
これが進むと、そのうち自然の眼球より高精細な映像をズーム機能付きで得られるみたいなことも考えられるわけで、アーチェリーとか射撃とかだと、視覚的に補正がつくと強いんじゃないかなとか。(義肢と違ってこれは流石にまだまだ遠いですが・・。)
そうなると逆にオリンピックには障害を持つプレイヤーの技能が圧倒的になりすぎて参加ができなくなるかもしれませんね。結果がわかりきっているスポーツ観戦なんていうものは、やはり面白く無いので。
ただその時にはパラリンピックこそが真の頂点を競うF1みたいなポジションになっていそうで、私はぜひ見たいです。
今回調べて知ったスペシャルオリンピックス
話は脇道にそれますが、スペシャルオリンピックスというものがあるそうです。
スペシャルオリンピックスは、知的発達障害のある人の自立や社会参加を目的として、日常的なスポーツプログラムや、成果の発表の場としての競技会を提供する国際的なスポーツ組織。
パラリンピックは色々と歴史的経緯があり、知的障害者の参加が難しい場合があるのですが、スペシャルオリンピックスはその設立の経緯からしても、知的障害者の参加に問題はありません。
タイトル画像 : Ryan Marsh
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