統合失調症ってどんな病気?
- 2015/05/17

統合失調症は、自分の考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患です。
珍しい病気ではありませんし、「精神的に弱い」などといったこころの問題ではなく、「脳の機能障害」であるため、家族が正しい知識と理解を持つことに加えて、薬や精神科リハビリテーションなどの治療によって病気の症状を安定させ、回復させることができます。
患者数
平成23年の厚生労働省の調査では、全国に約70万人いるといわれています。
約100人に1人~2人の割合でかかる病気とされています。他の疾患で言うと、「喘息」が約100人に3人の割合なので、統合失調症は決して特殊な(珍しい)病気ではありません。
こころの病気ではなく「脳の機能障害」?
こころの病気とよく勘違いされますが、病気の原因は脳の機能にあることが判明しています。
脳内の情報を伝える神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、グルタミン酸、GABAなど)の作用が過剰になることで、幻覚や幻聴が出現しやすくなるなど、この神経伝達物質のバランスがくずれることで様々な症状を引き起こしているといわれています。
発病の要因は?
統合失調症の発病原因はまだはっきりと判明していません。
思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気とされており、過度なストレスを長い間抱え続けてしまうことが関係していると言われています。
また元々なりやすい「素因」を持って生まれてきたことが要因だとする遺伝による関与も一部では言われることもありますが、遺伝子だけの問題ではなく、様々な要因が関与していると考えられるため、発病要因には個人差があります。
そのため、「これが原因だ!」と1つに決めつけるのでなく、本人ができるだけストレス負荷のない生活を過ごし、きちんと治療に専念する環境つくりが治療には最も大切です。
関連記事:精神障害の原因と分類、あとストレス脆弱性モデルとか
最後に
統合失調症は昔、精神分裂病という名称で言われ、怖い病気と捉えられることもありましたが、治療薬も進み、症状の安定化に成功している方も多くおられます。
大切なことは家族と本人が正しく病気に関する知識と理解を持ち、相性の良い先生を見つけて、焦らず治療を進めていくことです。
家族がしっかり本人を理解した支援者であるためにも、正しい知識をまずは身に付けましょう!
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