障害者の定義って? 障害者総合支援法の場合

  • 2015/04/22

障害者というキーワードは当然ながらこのサイトでもたくさん出てきます。しかし障害者とはどういう状態のことをいうのか? という質問はシンプルながらも非常に答えが難しい質問です。今回は障害者総合支援法における障害者の定義について紹介します。

障害者総合支援法とは

障害者総合支援法とは、障害者自立支援法に対して指摘されていた様々な問題に対して修正と解消を行った法律で、平成25年に施行されました。
障害者総合支援法はその名の通り、障害者の人格と個性を尊重し、地域生活が営めるように総合的に支援する目的で定められた法律です。
その内容や、障害者自立支援法との変更点を解説すると、支援法の扱う範囲から言ってもすごく長くなるので、ここについてはまた後日解説記事を作ります。

障害者の定義の現状

結論から言うと、障害者の定義は非常に曖昧で法律によって違います。正確に言えば、個々の法律で個別に定めているので、結果として「障害者」と言う語の定義は曖昧なものになっている、ということです。
例えば、障害者支援の基本となる法律である「障害者基本法」では

障害者とは「なんらかの障害があって、かつ継続的に日常生活や社会生活を送ることが困難」な人のことであるとしています。
また、知的障害者福祉法においては、知的障害とは~~です、という明確な基準はありません(厚生労働省が示した独自の規定では「知的機能の障害が発達期(概ね18歳まで)に表れ、日常生活に支障が生じているため、なんらかの特別の援助を必要とする状態にある者」としています)。
障害年金と傷病手当金や、身体障害者手帳の基準も、共通な部分はあれども、基本的に全て個別に設定されています。

障害者総合支援法においても、その軽重にかかわらずに障害者とくくってしまうと、とてつもなく広範囲を扱うことになってしまいます。そのため障害者総合支援法でも、その総合支援法でいう障害者とは誰か、という規定を定めています。

障害者総合支援法における障害者の定義

身体障害者とは 身体に障害がある18歳以上の人で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けている人
知的障害者とは 知的障害者福祉法にいう知的障害者のうち18歳以上の人
精神障害者とは 統合失調症、精神作用物質による急性中毒、またはその依存症、知的障害、精神病質などの精神疾患を持つ人(知的障害は除く)
発達障害者とは 発達障害者があるため、日常生活や社会生活に制限がある18歳以上の人(法律上、精神障害者に含まれる。発達障害児も同様)
難病患者とは 難病等があり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが、一定の障害がある18歳以上の人
障害児とは 身体障害。知的障害、発達障害を含んだ精神障害がある児童、または難病等があり、一定の障害がある児童

障害者の基準を定めることの問題点

身体障害者については手帳の所持が基準となっています。心臓や肝臓、腎臓などの機能障害といった、外見からわからないものも内部障害も身体障害なので、ある程度客観的に判断するために手帳の所持を基準としています。
精神障害者が逆に手帳の所持に触れていないのは、精神障害に対する社会的イメージの悪さから、精神障害と診断されても手帳の申請をしない人達が相当数いるので、手帳を基準とすると実態との乖離が大きいと判断されたためです。

ただいずれにせよ基準を定めるということは、支援が必要でも基準から外れた場合には支援を受けられないということと表裏一体であります。実際この法改正でも難病の規定などについては議論が起こりました。
財源と実情を見ながら理想とのバランスをとるのが政治の仕事の一つかもしれませんが、そのためにも定期的な基準の見直しは必要です。
見直しの際には、大きなインパクトを持つ決定事項だからこそ、当事者だけならず周囲の人も一緒に考えたい問題です。今はパブリックコメントの制度もありますしね。


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この記事の著者

ケアラー編集部 山本

ケアラー編集部 山本

ケアラー編集部の山本です。
主に障害者に対する支援制度の紹介と企業の障害者雇用の取り組み方などについて、書いています。

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