精神障害の原因と分類、あとストレス脆弱性モデルとか
- 2015/02/24

精神障害とは、広義では種々の精神症状を伴う疾患の総称ですが、精神障害がなぜ起きるのかは、まだはっきりとした結論は出ていません。
ただ現在の研究結果からいうと、精神症状は脳神経間の情報伝達がうまく動かない事によって引き起こされているのではないかと考えられています。
その情報伝達が阻害される原因によって、「外因性精神障害」「心因性精神障害」「内因性精神障害」の3つに古くから分けられています。
現在では研究が進んだ結果、個々の疾患について定義が複雑化し、この分類はあまり使われなくなっていますが、非常に理解しやすいのでこれらについて簡単に説明します。
外因性精神障害
外因性精神障害とは、はっきりとした確認できる原因によって脳の神経が害されている精神障害です。
はっきりとした原因、とは、頭部への外傷、身体疾患に伴って生じるもの、薬物摂取によるもの、等が挙げられます。
心因性精神障害
心因性精神障害とは、心理的なストレスが原因となって起こる精神障害です。
ストレス反応(トラウマ、PTSD)、適応障害、心因反応などの、「神経症」と言われるものが含まれます。
内因性精神障害
内因性精神障害とは、原因がはっきりしないにもかかわらず起こる精神障害です。
統合失調症や、うつ病、双極性障害(躁うつ病)などが含まれ、狭義の精神障害といった場合はこれを意味します。
明らかな原因はいまだ不明ですが、現在有力な説では、情報伝達に関わる、神経伝達物質の分泌異常が影響しているというものです。
関係していると考えられている情報伝達物質 | |
---|---|
統合失調症 | ドーパミン |
うつ病、双極性障害(躁うつ病) | セロトニンやノルアドレナリン |
ストレス脆弱性モデル
内因性精神障害、とりわけ統合失調症の発症にはストレス脆弱性モデルという考えが主流になっています。
ストレスに対する生物学的な脆さ(脆弱性)を持っている人が、一定以上のストレスを与えられると、統合失調症が発病するという考え方です。
この考えで言えば、もともと脆弱性を持つ人であったとしても、一定以上のストレスがかからなければ統合失調症を発症することはありません。
脆弱性は何に起因するかといえば、もちろん結論は出ていないのですが、遺伝や妊娠出産時の合併症、ウイルス感染によって脆弱性が作られることが知られています。
家系に統合失調症患者がいる場合、発病リスクは上がり、二卵性双生児よりも一卵性双生児のほうが発病率が極めて高いことから(比較して高いということであり、発症するということではありません)、遺伝子は統合失調症発症の要因の一つとされています。
こういった脆弱性を持つ方が、慢性的にストレスに晒され、発症のきっかけとなるストレス(トリガー)が加わることで、統合失調症が発症すると言われています。
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