食物アレルギーを持つ息子を20年間育てた母の体験談〜給食編〜
- 2015/06/01

重度の食物アレルギーを持つ息子を20年間育てた母親の話をまとめて記事にしました。自己判断力がまだしっかりしていない段階から給食が始まったので、その対応についてはしっかり考えたそうです。少しでも参考になれば幸いです。
母の想い
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私は出来る限り息子のアレルギーを知ってもらい、万が一に備えると同時に、息子がアレルギーであると出来るだけ感じないように努力したつもりです。過保護ではないか?という意見もあるかと思いますが、今、息子がのびのび育っているの見るとその判断は決して間違いではなかったと確信しています。給食は息子が自分の作った料理でないものを食べる最初の機会だったので不安も大きかったです。しかしこの経験を通して、息子も自分の病気についての自己判断能力がついたと思います。
1. クラスメイトや先生方に食物アレルギーを知ってもらう
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小学校に入って大きく変わったことは給食が始まったことでした。給食時間はどうしても親の目の届かないところになります。親がどれだけ気を使っていても、友達や先生、調理員さんのミスで息子の命が危険に晒されるかもしれません。
息子が小学校低学年の頃は原材料を自分で見分けるほど判断力がついていなかったのでとても不安でした。一度の軽いミスが命の危機に繋がる。それが食物アレルギーです。まずは食物アレルギーがどれだけ危険なものかしっかり知ってもらうことから始めました。担任は勿論、学年主任やクラスメートまで徹底的に息子のアレルギーの症状について説明しました。(もしアレルギーを発症したら、命に関わること。すぐに救急車を呼ぶこと等) クラスメイトには担任から説明してもらいました。そういう特別扱いをいやがる息子ではなかったので、安全のためを思い徹底的にやらせていただきました。
2. 対策
①食物アレルギーの原因となる給食をどのように食べないようにしていたか
息子の小学校では一ヶ月に一回給食のメニューと原材料が書いた紙が配られました。それを二枚もらい、息子のアレルゲン物質に線を引き、学校と家においておきました。そうすることで家でも学校でも息子のアレルギー物質を確認できるようにしました。息子が学校に行く前には毎日その紙を読み上げ、食べれないものが何なのか確認していました。先生の確認と親の確認、息子本人の注意の三段構えだったので、幸いにもほとんどアレルギーの症状を起こすことはありませんでした。
また、息子の学校には給食当番という係があり、その係になった人が給食を配っていました。そのため息子に食べれないおかずがこないよう、給食の「今日のこんだて」という表に先生が息子の食べられないメニューを全て書いてくれていました。クラスメイトはそれを見て給食を配るかどうかを判断していたそうです。息子も友達は自分のアレルギーを良く気遣ってくれたと言っていました。知ってもらうということに注力した一つの成果かなと思っています。(勿論息子の努力が大きいのですが)
②お弁当持参
息子が食べれない給食を排除するだけでは息子の給食は少なくなってしまいます。他の人が普通に食べているものを食べれないと嫌想いをするかもしれません。だから私は毎朝出来る限り給食の献立に似せたお弁当を作りました。かき揚げの日は息子が食べられる食材を使って、かきあげを作り、カレーの日は息子が食べられる食材でカレーを作りました。給食はほとんどパン食だったのでパン焼き機を購入して毎日アレルギー物質を除去したパンを作って持たせていました。小学校高学年になると息子の方から似たものを作らなくても良いという風に言われたので、そこで普通のお弁当に切り替えました。
3. 給食でアレルギーが起きてしまったら
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どんなに対策しても、起きてしまうときは起きてしまいます。親の目を離れる以上は仕方のないことかもしれません。大事なのは万が一の事態に備えることです。息子がアレルギーを起こしたのは冬の寒い日でした。その日は息子が朝しっかり教えたにも関わらずアレルギー物質のカニを食べてしまい、呼吸困難に陥りました。
しかし、息子がそのような状態をしっかり先生に伝えられたことと先生がすぐに救急車を呼んでくださったことで大事には至りませんでした。緊急時の対応について口を酸っぱくして息子や先生に伝えていたおかげだと思います。
4. 食物アレルギーの子どもを持つ親へ
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色々な人にお世話になり、何度か危ないこともありました。しかし周りに頼って良かった、できるだけ普通の人と同じ食事をさせてあげようとして良かった、と心から思っています。もしこれから食物アレルギーの息子を小学校にあげる親御さんがいれば、出来る限り周りを頼ってください。周りに知ってもらい助けてもらうこと。これがあなたの息子が普通に暮らすために一番必要なことなのです。
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