収入と所得の違いと障害者控除

  • 2015/02/23

障がい者向けに限らず、各種手当や経済支援制度には、対象者に所得制限がかかっていることが多いです。

もともと、現状で経済的に完全に自立できていない方に対するセーフティーネットとしての役割を考えると、ある程度妥当なことだとは思いますが、その時に「収入と所得の違い」を理解していないと、自分が対象になっているのにもかかわらず、対象外と思ってしまう方がいます。

まず前提をお話すると「収入 > 所得」の形に必ずなります。

では所得と収入とは何が違うのか。

給与所得者に限って簡単にいえば収入とは年収のことであり、要は額面と言われる金額です。
一方所得は、概ね手取りに該当しますが、その他に経費がかかった場合はそれらの経費も引いて残ったものが所得となります。

サラリーマンの場合の経費とは、黙っていても勝手に経費認定される基礎控除と給与所得控除の他に、医療費控除、株式投資で損を出した場合などもケースによっては経費となります。経費を所得から差し引くことを控除する、といいます。
これらの経費をまとめて、所得を算定するのが年に一回の年末調整であり、確定申告です。

特に経費がない場合は会社から渡される源泉徴収票に所得額が書かれていますが、医療費控除などを行う場合は確定申告が必要で、確定申告後に所得額が決定します。

障がい者の家族の方の場合高額医療を利用していて、医療控除の対象(年20万以上)となっている場合も多いです。
この場合は控除される額は前述のとおり、収入には含みませんので、源泉徴収票だけ見て各種制度の対象外だと思っている人は要注意ですよ。

利用可能な控除の一覧

まず、控除の一覧は国税庁がまとめてくれています。
所得金額から差し引かれる金額(所得控除)
注:これは給与所得にかぎらず、不動産所得なども含めた所得全般に適用できる控除の一覧なので、給与所得控除は含まれていません。

障害者控除について

障がい者本人、もしくは扶養家族の場合に利用可能です。
控除の額は障がい者1名に月27万円で、特別障害者の場合は40万円です。
障害者控除は、会社に扶養家族の申請をする際に伝えておけば、扶養控除などと同じく勝手に会社が計算してくれます。この辺りは日本の税制のラクでいいところですね。

障害者控除の対象者

障害者控除の対象となるのは、次のいずれかに当てはまる人です。

(1) 常に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態にある人
 この人は、特別障害者になります。

(2) 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人
 このうち重度の知的障害者と判定された人は、特別障害者になります。

(3) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
 このうち障害等級が1級と記載されている人は、特別障害者になります。

(4) 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人
 このうち障害の程度が1級又は2級と記載されている人は、特別障害者になります。

(5) 精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が(1)、(2)又は(4)に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
 このうち特別障害者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人は特別障害者になります。

(6) 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人
 このうち障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人は、特別障害者となります。

(7) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
 この人は、特別障害者となります。

(8)  その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人
  この人は、特別障害者となります。

税額控除について

最後に例外をもう一つ。
障害者控除や医療控除は、基礎控除や給与所得控除と同じく、所得控除と呼ばれるものです。これは収入から控除額を引いたものを所得として、そこに税率をかけて税金額を計算するものです。

そしてもうひとつ、払った額の一部が、そのまま税金から差っ引かれるという、より強力な「税額控除」という仕組みもあるのです。
これは自分で申告をしないと使えないので、以下のような場合は是非確認して下さい。下記は一部です

  1. 住宅を買った場合や、バリアフリー改修をした場合
  2. 政党や政治資金団体に政治献金等を行った場合(政党等寄附金特別控除制度)
  3. 認定NPO団体に寄付を行った場合
  4. 公益社団法人等に寄付した場合(公益社団法人等寄附金特別控除)

1番については不動産会社や工務店が教えてくれると思うので、障がい者とその家族にとってまだ少し関係する場合の多い下2つについて補足します。

認定NPO団体に寄付を行った場合とは、そのままで、国税庁が公表している認定NPO法人名簿に記載のある法人に寄付を行った場合です。ちなみに認定には有効期限があり、当然ですが有効期限が切れているものへの寄付は対象外です。

公益社団法人等への寄付については、次のような組織への寄付が対象です。

  • 公益社団法人及び公益財団法人
  • 学校法人(一部対象外有り)
  • 社会福祉法人
  • 更生保護法人

ちなみにものすごくややこしいのですが寄付金の控除にはこの、認定NPOへの特別控除や、公益社団法人等寄付金特別控除のほかに、より広い範囲の寄付が認定される寄付金控除というものもあり、税金の上で有利な方(税金が安く済む方)を納税者が自由に決められる。となっています。
多くの場合は今回ご紹介した特別控除のほうが有利であり、そのために特別なのですが、より詳しく知りたい方は国税庁が税の相談窓口を設けています。

Tulane Public Relations


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この記事の著者

ケアラー編集部 山本

ケアラー編集部 山本

ケアラー編集部の山本です。
主に障害者に対する支援制度の紹介と企業の障害者雇用の取り組み方などについて、書いています。

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