今更聞けない?アスペルガー症候群とは?
- 2015/04/28

近年、アスペルガー症候群と呼ばれる発達障害の一種が注目されるようになりました。
こだわりが強く、対人関係が不器用なアスペルガー症候群の持ち主。
しかし、生きづらさを抱えている人もいらっしゃる一方で、並外れた能力を発揮する事で社会で活躍してらっしゃる人もいます。
子どもだけではなく、大人にも見られ、もしかしたらあなたの身の回りにもいらっしゃるかもしれないアスペルガー症候群の方たち。
わたしたちは、どのように彼らと接していくことができるのでしょうか?
アスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群とは、自閉症スペクトラムに分類される広汎性発達障害の一種です。
知的な発達の遅れは無いものの、興味・コミュニケーションについて特異性が認められる自閉症傾向の症候群。
それが、アスペルガー症候群と言えるでしょう。
アスペルガー症候群は、1944年にオーストリアの小児科医であるハンス・アスペルガーが診察した子どもたちの症例をまとめたものを、1981年にイギリスの精神科医ローナ・ウィングが英語に翻訳した事で欧米圏にも広く知られるようになりました。
この際ウィングは、自閉的性質が見られる症例は、軽症から重傷までより広範囲にまたがるものとして、前述の自閉症スペクトラムの考え方を初めて打ち出しています。
自閉症スペクトラムとは?
スペクトラムとは、日本語に訳すと連続体です。最も一般的なスペクトラムは、雨の後、空にかかる虹でしょう。
虹の色は七色と呼ばれますが、よく目を凝らして見ると、色がグラデーションになって徐々に変わっているのがわかるかと思います。
自閉症と、それに良く似た特徴を持った発達障害、さらに健常者との違いは明確な境界がわかりづらいためスペクトラムと呼び、大きな特徴を共有する一群とされるようになりました。
アスペルガー症候群に見られる主な特徴
1、社会性の障害
社会常識や暗黙のルールと行ったものを読み取ることが難しく、初対面の人に対してぶしつけな発言をしたり、服装や身だしなみについても無頓着な事が多いのが特徴的です。
また、自分の興味関心や考え方を優先する事が多く、輪になってみんなで遊んだり、集団の中で行動する事が苦手な一方、孤独であることを苦に思わない、流されず自分の考え方を強く持ち続ける、という側面もあります。
2、コミュニケーションの障害
言葉のキャッチボールが行われるのではなく、自分の興味のある事をTPOに関係なく発言し、「空気が読めない人」と思われる事が多々あります。
また、相手の感情を読み取りにくいというだけではなく、自分の感情も言葉にすることが難しく、人前で自分の考えを話すとなったときに要領よくまとめて話すことを苦手とする場合も多いです。
3、反復的行動と狭い興味〜ひとつの事に囚われ続ける〜
同じ行動パターンに固執したり、ルールや秩序を尊ぶことが多いのも、アスペルガー症候群の特徴的な要素です。
他人との相互的なやりとりが成立しにくい一方で、自身の内面の安定や平静を尊重しようという姿勢とも考えられます。
また、限られた領域に非常に深い興味関心を持ち、それに熱中する事がよく見られます。
いざ、何かに集中した際はずば抜けた集中力を発揮し、周りに相手がいないものかのように没頭する場面も見られます。
アスペルガー症候群と健常者の境界とは?
アスペルガー症候群は、社会的に生きづらさを抱えやすい一方で、ずば抜けた能力を発揮しうる存在です。
しかしそれも、アスペルガー症候群の持ち主を理解し、尊重しする姿勢を持つ事から始まります。
また、前述の自閉症スペクトラムでご紹介したように、発達障害を持つ人と健常者の境界はあいまいなものです。
程度の差はありますが、社会性を機能として持ち合わせていない発達障害の人こそが、原型的な人のあり方だと見る研究者もいます。
何を正常と見るのか、問われているのは私たちの方かもしれません。
最後に
相手も自分も尊重しあえるコミュニケーションを行っていく事は、発達障害を持つ人に対してだけではなく、この社会にいる多様な人々に対してもまた、大事にされるべき態度でしょう。
この記事に最後までお付き合いいただいたあなたも、改めて自分の身の回りに目を向けてみて、小さな一歩から始めてみませんか?
見出し画像:Frederic de Villamil
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