後編:ゲイであることをカミングアウトした経験から学んだこと

  • 2015/06/09

前編:ゲイであることをカミングアウトした経験から学んだことはコチラ。

ゲイということを通して得られた経験

私はゲイということで誰にも相談をすることが出来ない期間がありましたが、自分自身のセクシャリティで悩んでいたことは、とてもその後の人間関係や仕事など、結果的に人生を豊かにしてくれました。

例えば、高校生の時にはゲイと言うことを必死に隠していたので、友人との会話にはすごく敏感になっており、友人との会話で「同性愛ネタ」の話が出てきそうになると、事前に察知して会話の流れを変えて「同性愛」関連の話にならないようにしていました。この経験は、その後、大学卒業後に勤めた会社で営業をしている時に、「会話の流れを読む」という点ですごく役立ったと思っています。

それから、営業の仕事をする際に、「営業をする目的」「働く目的」がすごく明確になり、多くの経営者の方との出逢いに恵まれたこともすごく私の人生を豊かにしてくれました。

「ゲイということと『働く目的』がどんな風に繋がるの?」

と思われますよね。

実を言うと、前職の会社ではホームページやデザイン、印刷など販促に関わる会社に勤めていました。私は社会人2年目くらいから本を読んだり、テレビを見たりしていて、「ご一緒にお仕事をさせて頂きたいな〜」「すごく共感するな〜」と思う方に「会いたい」という想いを込めた手紙を書いて、一会社員の立場ではなかなか会うことが出来ない様々な著名の方とのご縁を頂くことが出来ました。

それは、自分が「売り上げを上げること」が目的ではなく、私が仕事をしている目的が「温かな社会をつくる」ことにあったからです。

「お客様だけではなく、働いている社員の方や取引先様、地域社会を大切にしている企業の魅力を世の中に広げていったら、温かい社会になって、皆が過ごしやすい社会になる」

その時には、言葉には出来ておりませんでしたが、心の奥底ではこのようなことを思い、仕事をしていました。そのため、手紙の中には「仕事を欲しい」といった事は書いておらず、その方がお話をされていることで共感した事とあわせて「温かい社会を一緒につくりたい」という自分の想いを綴っていました。

作為性がなく、純粋な自分の想いを届けていたため、共感してくださった方とのご縁が少しずつ広がり、結果的に営業成績も上がっていくというような好循環を生み出すことが出来ました。

自分がゲイということに悩んでいたことや、自分のことを理解してくれる家族や友人の存在、どんな社会にしていきたいのか、ということを自分に問いかけることがなければ、このように使命感を持って仕事をすることがなかったと思うので、本当にゲイとして生まれてきて良かったなと思っています。

尊敬する方からの言葉「人間には影を超えるエネルギーを持っている」

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以前にメリープロジェクトの代表、水谷孝次様に初めてお逢いした際に頂いた言葉をご紹介させて頂きます。

(※メリープロジェクトとは「笑顔は世界共通のコミュニケーション」をテーマにしたアートプロジェクトで、2008年には北京オリンピックの開会式をも飾ることになりました。)

水谷様との本当の最初の出逢いは、立ち寄った本屋で水谷様の著書「デザインが奇跡を起こす」を偶然手に取ったことに始まります。

その本には、こんな事が書いてありました。

・日本には自殺者が年間3万人以上いる。そういう人たちを元気にしたい。
・人生には光と影があって、光があたれば必ず影がある。また、人間には影を超えるエネルギーを持っている。
・真のデザインは人々に希望と勇気を与え、平和のために存在する。

これにすごく共感した私は、どうしても水谷様にお会いしたいと思うようになりました。その本の中で、水谷様がデザインをした病院が北九州にあるということを知り、その病院を見に行き、その日のうちに本や病院を見て、感じたこと、そしてご一緒にお仕事をさせて頂きたいという想いを手紙に綴り、北九州から手紙を送りました。

そして、水谷様とお逢いすることが出来るようになり、お逢いした際には、ゲイということで悩んでいたこと、温かい社会をつくっていきたいということをお話して、水谷様からとても心に残るメッセージを頂きました。

「暗闇を知っている人は、その分、光を感じる力がある。自分が悩んでいたことを、社会を良くしていくことに使っていくのは本当に素晴らしいことです。あなたが話されていることは真実であり、誠であり、すごく情熱的なので応援をしたい。」

という言葉をかけて頂き、その出逢いが大きなひとつのきっかけとなり、自分自身で創業することになりました。この出逢いも、ゲイということが自分に与えてくれた経験などがなければきっとなかったと思います。

子供が悩んでいることにどうして気づけなかったんだろう」「子供のことを理解したい」という想いと「社会に対して恥ずかしい」という想いの葛藤や罪悪感もあると思います。

でも、私の体験談でお伝えさせて頂いた通り、LGBT当事者であることで、たしかにつらい思いや大変なこともあるかもしれませんが、そのことが結果的に人生を豊かにすることもあります。だからこそ、ぜひお子さんからカミングアウトを受けた時には、子供のありのままの姿を受け入れて頂きたいなと思っています。

次回はもう少し踏み込んで「子どもからカミングアウトをされた時にどのように受け止めたら良いのか」についてご説明させて頂きたいと思います。


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この記事の著者

On the Ground Project代表 市川武史

On the Ground Project代表 市川武史

はじめまして、On the Ground Projecの市川武史と申します。
当プロジェクトでは「私たちがそこにいるのが当たり前。こんな社会をつくりたい」 というビジョンを掲げ、LGBTをテーマにしたビジネスを展開しています。

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