福祉だけじゃない。みんなが行政・政府に働きかける「パブリックコメント」
- 2015/06/11

突然ですがパブリックコメントという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
Wikipeidaからの説明を引っ張り出したいと思います。
パブリックコメント(Public Comment、意見公募手続、意見提出制度)とは、公的な機関が規則あるいは命令などの類のものを制定しようとするときに、広く公に(=パブリック)に、意見・情報・改善案など(=コメント)を求める手続をいう。公的な機関が規則などを定める前に、その影響が及ぶ対象者などの意見を事前に聴取し、その結果を反映させることによって、よりよい行政を目指すものである。通称パブコメ。
日本では、意見公募の手続きそのものを指すことばとしても用いられるため、本来の行政が政策、制度等を決定する際に公衆の志見を聞いて、それを考慮しながら最終決定を行う仕観み、における公募に寄せられた意見と区分して、国民、市民など、公衆の意見はおもに「パブリックコメント手続」と呼ばれる。
パブリックコメントってなんだ
これはどういうことかというと、一個人が政府に対して明確な形で意見・見解を述べる制度です。
気になる議題などがあった場合は、チョコチョコとパブリックコメントを送ったりしている私ですが、周囲の人だとパブリックコメントを送っているという人はほぼ知りません。
そもそもパブリックコメントってなんだという人も大勢います。この記事をここまで読んだ人は、もうそんなことはないと思いますけれども。
市民の声で制度は変わってきた
障害者福祉の世界においても、様々な制度は現場の方や、障害者本人の方、その支援者の方の活動によって今の制度が形作られてきたという歴史は厳然と存在します。
具体的には、議員の方に働きかけたり、行政に対して嘆願書を出したり、もしくは裁判を起こしたり、です。
裁判については記録が残っているので、例えば生活保護の領域から少しだけ紹介します。
- 生活保護において心身障害者扶養共済年金は収入に算入しない
- 学資保険の満期払戻金は収入に算入しない
こういったことは、市民の方が行政を相手取り訴訟を起こし、司法の場で主張の正当性を勝ち取ったことで、社会の制度を変えてきたという歴史があります。
とは言え、訴訟というのはその手間や費用の面から見ても最終手段。それにどちらかと言うと、適切に制度を作るために裁判を起こすというよりは、現行の制度の是非を問うという形が多くなります。
嘆願書等による運動は、署名をしたりすることは簡単です。意思表明という意味では、形として残す以上立派な活動です。
しかし一方で嘆願書を提出する、運動を行うためには、それなりに労力がかかってしまい、だれでもいつでも気軽にできるというものではありません。
手軽にできるパブリックコメント
翻ってみると、パブリックコメントの制度は自分一人で完結できます。
自分が、自分で、自身の見識を持って書面を作り、窓口に提出すればいいだけです。そういう意味ではとても手軽に意見を述べることができる制度といえるでしょう。
もちろん意見が反映される保証はありませんし、幾つものパブリックコメントの中の一つという扱いには当然なります。
とは言え、意見を言わなければなかなかどうにもならないのも事実ですし、行政が市井の専門家や、受益者の見解を求めている(求めなければいけない)ことも事実です。
負担の少ないパブリックコメント、ひとつ書かれてみてはいかがですか。
ちなみに申請は政府の電子窓口e-Gov(イーガブ)から行えます。
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